IE6をいじめるな
IE6撲滅キャンペーンが実施されとるそうです。
IE6は2001年にリリースされ、Microsoftから後継バージョンのIE7、IE8がリリースされているにもかかわらず、今なおかなりのシェアを占めている。NetApplicationsの調査によると、7月のIE6のシェアは27%に上った。このためWeb企業はIE6に対応せざるを得ないが、「IE6対応は難しく、いら立たしい作業で、過度に時間を取られる。さらにIE6は最近のWeb標準をサポートしていないため、開発者ができることに制約がある」状況に苦労しているという。
IE6 No Moreは、IE6ユーザーにブラウザのアップグレードを呼び掛けることで、できるだけ早急にIE6ユーザーをなくすことを目指している。
すみません、タイトルは、言ってみたかっただけです。
このニュース、Yahooニュースでは、一般ユーザーからの「何使ったってこっちの自由だろが!」という反発コメントも多いよう。
まあ、そりゃユーザーの立場からしてみればそうだよねと、思う。
ユーザーにとっては、IE6を使っていてもWEBサイトが「ふつうに見える」のは自然なのだし。
制作の立場とすれば、コーディングの作業なんかしてると、「ちょっとここに隙間あけたいだけなのにIE6のマージンのバグのせいでこんな複雑なコードに・・・!」と憎たらしく思い、「もうMSなどつぶれてしまえ」と呪詛を吐きたくなることなんてしょっちゅうですが、かといってユーザーに「最新のブラウザにしてよ」とは、言えない。いろんな事情があるだろうし。
そもそも自分がそういわれたらどうだろう? 私は天邪鬼だからきっと「ぜったいにアップグレードしねー!」とむしろかたくなになると思う。北風と太陽。
私の友人に、いまだMacのIEを懐かしむMacユーザーがおります。彼女は「泣く泣く」Safariを使っているそうです。さらに機種が古いためYoutubeやニコ動やYahoo動画(←なんかしらんが私のまわりではYahoo動画が人気)も見られないとのこと。
彼女いわく、「どうして古いブラウザがすぐにサポート終了しちゃうの? 意味わかんない! 使う側のことを考えてない!」
私の立場からすれば「MacIEとかまじ勘弁」なわけなんですが、激怒する彼女に向かって「いやあそれはあなたが out of date なのよ」とは口が裂けても言えない。
だってね、彼女は、ほんとうのところはYoutubeなんか見たいと思っていないんだよね。Yahoo動画は以前見ていたけど、「見なきゃ見ないでどうともない」ということだそう。ネットにどっぷりつかった人間にはわからないけど、多くの人は、ネットなんかなくたって大して困らないし、高機能である必要なんかどこにもない。「あれば使う」くらいのもの。
「ネットごとき」に手間かけているヒマなどないんです。
にしても、こんなキャンペーンを大々的にやったら、一般のユーザーには反発くらうだろうと思わなかったんだろうか?
反発くらってでも訴えたいという捨て身の策なのか、それともこういうふうに訴えればユーザーが快くアップグレードまたはブラウザの乗換えをしてくれると本気で思ったのか。もし後者だったら、サイト制作者とユーザーの感覚との乖離のほうにこそ、危機感を感じてしまいますが・・・。