書店で買うか、Amazonで買うか

「お店で製品の実物を見て、それをお店では購入せずにAmazonで購入する。そんな習慣が確立されつつあるようです。」というTogetterのまとめを読みました。
内容はタイトルどおり。お店では製品を選ぶために実物を見て触ってみるだけで、購入は価格が安くて利便性も高いAmazonでする。電化製品や書籍を購入するとき、そんな習慣がついている人がいるのではないか?という話です。

ヨドバシカメラの店頭で購入するかどうか迷っていた「DENON ノイズキャンセリングインナーイヤーヘッドホン AH-NC600K」(19,800円)がAMAZONでは11,208円だったので購入することにしました。Amazon安いなー。
HAL_J 2011/08/07 17:02:28

Amazonの安さを知ってしまったので、これからは「ヨドバシカメラビックカメラで実機を確認してAmazonで購入する」という実店舗を構えている電化店にとっては迷惑極まりない購入習慣がついてしまいそうです。
HAL_J 2011/08/07 17:14:38

書店ではすでにそういうことが起こってそう。「書籍を持って帰るのが面倒だから内容の確認を店頭でして、購入を帰ってからAmazonでする」という行動習慣がついている人がいそう。
HAL_J 2011/08/07 17:15:49


電化製品については門外漢なので分かりませんが、書籍については仕事での経験とかでいろいろと感じた事・分かった事があったりするので、少し書いてみます。


私は昔、短い期間ですが書店でバイトをしてたことがあります。
かなり前(5〜6年前くらい)の話ですが、その当時からその書店のバイト仲間のあいだでは、このまとめの中で書かれている「内容の確認は書店で、購入はAmazon」という行動はすでに認識されていました。
持って帰るのが大変な大型の本や、Amazonより価格が高くなりがちな洋書などは、書店では商品を選ぶだけで、購入は後でAmazonでするということが行われているだろうと言われていました。
「みんな、書店では本を選ぶだけで、買うのはAmazonに行ってしまうんだよ」と、なかば諦めたように言う人までいました。


書店バイトをやめて数年後、インターネットで本を売るサイトの仕事に就きました。
こちらは1年くらい前まで在職していましたが、ここで同僚・同業者が言っていたのはまったく逆のことでした。
「みんなWEBで本を選んで、買うのはリアル書店で買ってしまうんだよ」と。


矛盾する言い分のようですが、たぶんどちらのパターンも現実に存在しているんだと思います。


書店員時代、バイト仲間はみんなAmazon(を含むオンライン書店)にお客を取られていると考えていましたが、私はその意見にちょっと疑問を持っていました。
なぜかというと、Amazonの画面をプリントアウトしてきて、「この本を探しているんだけど」とお問い合わせしてくるお客様って、けっこういらっしゃったのです。
これって、オンライン書店の立場からしてみれば「リアル書店にお客を取られている」ということにほかならない。リアル書店の側だってお客を取られっぱなしというわけでもないはずです。


実は、WEBの仕事を始めてから、一度お客様がどのように本を買っているのか、調べる機会がありました。
どこで本の情報を得るのか(オンラインなのか、店頭なのか、新聞・雑誌、TVなのか、クチコミなのか)、実際にはどこで買う(あるいは図書館で借りる)のか。正式な調査ではないので、あまり信頼性の高いものではないと思うのですが、調べていくと、本を探す・買うという行動にはかなり色々なパターンがある、ということに気づかされました。


オンラインで情報収集から購入までする人もいれば、オンラインでは内容の確認やクチコミのチェックだけをして、書店で実際に書籍を見て購入する人もいます。たとえインターネットのヘビーユーザーであっても、書籍購入の際にはインターネットを使わない(情報収集の段階でも購入の段階でも)人もいます。本は買わずに図書館で借りるという人だっています。
また、ひとりの人間であってもいつも行動が一貫しているわけではなく、場合によって行動が分かれていることも多いです。たとえば、オンライン書店で購入の決め手がなかったときだけ書店に来るということはよくあるし、自分のための本はネットで買うけどギフト用の本や子供に買い与える本は書店で探して買う、という人も多いようです。


生活の違いも本の探し方・買い方に影響を与えます。たとえば働いている人とそうでない人の本の買い方はあきらかに違いますし、書店によく来れる環境かどうか、というのも大きいです。


こういうことを調べる前、私は心のどこかで、書籍を購入する人は「オンライン派」と「リアル派」に分けられるのだろう、となんとなく思っていました。
でも、調べてみると、どうもそうでもない。オンライン派/リアル派と2つにきっちり分けることができるわけではなかったのです。
今までどれだけ自分が、お客さんの実際の生活も行動も知らずに、想像や思い込みだけでものを考えていたかを痛感しました。


実際にはお客さんってリアル書店VSオンライン書店、みたいな対立構造で見てない人のほうが多いです。どうすれば便利に本を買えるか、どんな本を買いたいか、自分の生活のなかで状況によって使い分けているし、もっと柔軟で複雑で多様です。そして、いつでも合理的で効率的な買い方を好むというわけでもありません。
お客さんがどんな生活をして、どんな時にどんな行動パターンをとっているかをよく調べていけば、リアル書店にも「オンライン書店の客を奪ってくる」余地がある、と私は思ってます。

iOS4にしたのでiBooks for iPhoneを使ってみたよ

iOS4リリースから数日、ようやく重い腰を上げてアップデートをしました。
なんか動かないアプリとかあったらやだな、と思っていましたが、思ったよりもアップデートもすぐ済んで、特に不具合もなかったのでほっとしてます。


新しいOSには色々と新機能もあるのですが、今回はやっとiPhoneにも対応したApple電子書籍リーダーアプリ「iBooks」を使ってみた感想を書いてみたいと思います。


iBooksePub形式とPDF形式の電子書籍に対応してます。
ライブラリはePubは「ブック」、PDFは「PDF」とそれぞれ別の棚に保存されているような感じになっています。


  


ePub形式のブックは、iTunesストアで簡単に買えました。ただ、非常にあっさりしたストアなので、ちょっと本を探すのが難しいですね。



ひとまず買ってみたのが、定番のくまのプーさんWinnie-the-Pooh)やクリスマスキャロル(A Christmas Carol)などなど。それと、試しに中国語も、と思って三國志も買ってみました。これらはすべて無料です。プロジェクト・グーテンベルクさまさまです。


  


左がプーさん、右が三國志。右上の赤いやつがしおりです。なかなか素敵な感じですね。辞書機能(英英辞典)やハイライト機能(文章内の特定の位置にマーカーを引くことが出来る)、選択した語句をGoogleWikipediaで検索できる機能も備えています。
縦書きには対応していないので、中国語でも横書きで表示されます。


iTunesストア以外で買ったePub形式の本は、iTunes経由でiPhoneに取り込めます。iTunesストアには日本語の本はどうもあまりないようなので、今回は外部のサイトでいろいろ探してみました。


まずは定番、青空文庫
青空文庫ePub形式を扱っていないのですが、青空文庫形式をePub形式に変換するブックマークレットを提供している方がいましたので、そちらを使ってePub変換してみました。


が、iBooksで見るとレイアウト崩れが発生。とくにルビが大幅にずれてしまいました。



つぎに、このあいだオープンしたばかりのパブーに行ってみました。
文芸書以外にも、レシピ集や写真集、絵本にマンガもあります。プロの方も参加されているようで、できたばかりの割に本も充実しているし、なかなか面白そうです。


日本初?のKindle用コミックとして話題になった「青空ファインダーロック」がありました。(6/28まで期間限定で無料)
こちらはePub形式でもダウンロードしてみましたが、どうもページが1ページごとに欠けてしまいました。なので、PDF形式でダウンロード。コミックや絵本はPDF形式が良いように思います。
正直iPhoneでマンガ読むのは、画面が小さいので、難しいですね。
ケータイコミックみたいに、小さい画面にあわせて最適化されているものであれば別でしょうが・・・。


また、パブーにも少しですが青空文庫にある本が置いてありましたので、ダウンロードしてみました。が。


  


このように、約物のぶらさがりをしてくれません。細かい所なのですが、長い文章を読んでいると結構これが気になるのですよね・・・。


青空文庫の本を読むのであれば、有料アプリですがi文庫などのリーダーを使うほうが、現時点では快適です。
ダウンロードもアプリ内でできますし、縦書き表示もできて読みやすいです。


  


i文庫は青空文庫形式で作られたテキストファイルなら、独自ファイルも扱えるようですが、できたらePubにも対応してくれないかなーとちょっと思います。そうすれば、外部のサイトで買った日本語の本も中国語の本も、縦書きで読む事が出来るようになります(まあ私は中国語できませんが・・・)。それか、だれかePub青空文庫形式のテキストファイルに変換するツールを作ってください・・・(←他力本願)


ちなみに、個人向けの電子書籍の投稿・共有サイトには、ePubs.jpというサイトもあります。こちらもできたばかりですね。今回はここにある本は見ていないのですが、あとで試してみようと思っています。


ePubの縦書きについては、日本電子出版協会(JEPA)がEPUB日本語要求仕様案を策定していますし、次期EPUB 2.1では多言語への対応もされるということにはなっているようです。
iPadの普及などで、今後はePub形式の本も日本でたくさん出てくるでしょうから、早く縦書きで読めるようになるといいですよね。

Amazon Mobile JP アプリのフォト検索を試してみた


ついに! Amazon.co.jpiPhoneアプリが登場しました。
これでiPhoneからのAmazonでの買い物も便利になります。


それだけでも嬉しいですが、さらに、このアプリには「フォト検索」という機能がついています。
アプリから写真を撮ると、その写真に類似した商品を検索してきてくれます。

ということでちょっと試してみました。
上から、カピバラさんのミニマスコット、ビーバーのぬいぐるみ、FREE(書籍)です。




まず、FREE。これはしっかり認識。




ぬいぐるみ。うん。違う・・・けどまあなんか気持ちは分かるw




問題はカピバラさん・・・



えっ・・・ぐー☆チョコランタンですか? しかも緑ですか?


というわけで、精度はけっこうあれですが、思わぬ商品が検索されたりして結構おもしろいです。お試しあれ。

ツイッターには過去2回、挫折しています

増えすぎたメールを少し削除しようと、過去のメールを整理していたら、ツイッターに登録したときの「登録ありがとうメール」を発見しました。
「Hello, new Twitter-er!」(ついったらーって読むのコレ?)という一文で始まるそのメールの日付は2007年10月28日。


そのままきちんとツイッターを使い続けていれば、2年半ほども使っている計算になるわけなのですが、実はこのときは、まったくハマれませんでした。


登録した当時はまだパブリックタイムラインを見られるようになっていたので、ひとまずこのパブリックタイムラインを眺めたり、書き込みしてみたりしましたが、いまいち楽しみ方がわからず、どうやってフォロー(昔の言い方だとフレンドかな?)しあうのかも分からず、フォローもフォロワーも0のまま、すぐ放置してしまいました。


その後、もう一度再開したのが、たしか2009年の3月ごろ。またちょっと流行り始めていたので、「そういえば前に登録して放置したよな」と思い出して再開しました。この頃にはもうパブリックタイムラインがなくなっていたと思います。
ひとまず形からってことで、バッヂをブログに貼って、少しはつぶやいてみました。前より長く続けられましたが、やっぱり楽しみ方が分からなくて、放置。


2009年の夏ごろ、企業の参入も増えだして「仕事で使う日がくるかもしれない」と思い、また再開しました。このときは本当に、他社がどういうことをつぶやいているのか見よう、という目的で再開したのですが、何人かフォローしていっていたら、フォロー返ししてくれる人がいたりして、Replyとかももらえるようになって、それでやっと楽しくなってきたのでした。


そんなわけで、ツイッターを楽しめるようになるまで2年くらいかかった自分ですが、こんな自分から見ると、登録したてなのに焦ってフォローを増やしたりしている人たちは、もったいないなあと思ってしまいます。本や雑誌やブログにかいてあることを実践しているのかもしれませんが、無理しなくても、面白そうな人を探しながら、ゆっくり自然にフォローを増やしていったっていいんじゃないでしょうか。つまらないなあと思ったら、また気が向くまで放置したって良いと思います。ゆるーく、ゆるーく。

電子書籍と本とWEBの話

電子書籍の話が盛り上がっているこのごろ、ときどきふと思うこと。
それは「本って何だろう?」ということ。
辞書的な意味や歴史的な意味ではなく、一般的に自分たちが「本」と呼んでいる「あれ」はつまり簡単にいうとどういうものだろう?


もし、「紙を束ねて綴じたものが本」だとしたら、ノートや手帳も本ということになっちゃいます。
ではもっと狭くして、「情報が書かれている紙を綴じたものが本」だとしたら、紙に書かれていない電子書籍は本ではありません。
形にこだわらず中身を重視して「情報を集めて表示している何か」が本だとするなら、WEBサイトだって、本と呼んでもよさそうなものです。


「本」を定義しようとすると、狭くすればするほど一般的に「本」と思われるものが本でなくなり、広くしようとすればするほど一般的には「本」とは呼ばれないものも「本」になってしまって、どうもうまくいきません。



私は実のところをいうと、電子書籍というものにちょっとした違和感を覚えることがあります。
乱暴に言ってしまうと、「電子書籍なんてわざわざ作らなくてもWEBがあるのに」と思ってしまうことがあるのです。


実際に、昔は「本」として提供されていた情報やコンテンツのなかには、今はWEBに移行していっているものも多くあります。
地図は昔は本屋で買っていましたが、今はMapionで事足りてしまいます。
時刻表もそうです。Yahoo!の時刻表で足ります。
レシピ本も買わなくなりました。クックパッドがあればじゅうぶんです。
小説だって漫画だって、WEB上にはいくらでもあります。


WEBという便利なものがすでにあるのに、わざわざ使い勝手が悪い電子書籍を作る必要がどこにあるんだろう?
WEBでいくらでも手軽に読めるものを、わざわざ電子書籍の形で欲しいと思う人がどれだけいるのだろう?
WEBになくて「本」にあるもの。アドバンテージみたいなもの。そういうものがなければ、読者はわざわざ電子書籍を買い求めたりしないのではないか?


それで最初の疑問「本ってなんだろうなあ」に戻るわけです。


とりあえずいまのところ結論のようなものはないのですが(いつもオチがなくてすみません)、ひとまず、頭の隅っこにいつもこの疑問は置いておこうと思ってます。もしかしたら、電子書籍が普及しだして、色んな形の電子書籍が現れてきたら、だんだん「これが本ってものだ」と分かるようになるのかもしれません。

「社会不適合者だから起業したんだよ」と言った知人

数年前に、ファッションブランドを立ち上げた元同級生がいるのですが。
最近、よくはてブでホットエントリに上がっている、起業関連のエントリを読んで、この元同級生が起業したときのこと、ちょっと思い出しました。


彼は学生時代から優秀な人で、学内のコンクールではいつもすばらしい成績をおさめ、もちろん学外のコンペで入賞したこともあります。
そして、卒業後には、ずっと憧れだったと言う、某有名ブランドに勤めていました。


彼がブランドを立ち上げたと聞いたとき、私は「あんなに憧れて、熱意をもって入った企業を離れるくらいだから、相当自分のデザインに自信を持って、目標を持ってやっているのだろう」と思いました。


しかし、彼のブランドの展示会に行き、話を聞いてみると、どうもそういうことではなかったのです。
彼は、起業した理由を、自嘲ぎみにこう言いました。


「俺、社会不適合者だったんだよ」


とくに彼が会社勤めのなかでガマンならなかったのが、上司や先輩との人間関係だったそうです。


要するに、彼は「自分のブランドを立ち上げたい」と強く思ったわけではなく、「会社で働くのがいやで逃げ出した」結果、「ひとりで仕事をすることになった」になっただけだった、ということなのです。


会社のわずらわしい人間関係から逃げるようにして起業したこの元同級生ですが、もう3年ほどもブランドは続いています。取り扱ってくれるショップも増え、今年は海外の展示会にも出展することにもなり、順調に事業を続けています。


しかし、「人間関係にわずらわされたくない」という彼のブランドには、いまだに本人のほかには営業のスタッフがほんの1〜2人いる程度です。


果たして、彼はほんとうに「社会不適合者」なんでしょうか。


私は、起業したことはないので、起業の成功や失敗については語ることはできませんし、みんな起業したらいいよ!とも言えないです。
でも、大きな会社で正社員で働くことだけが、根回しやごますりや社内政治がうまくなることだけが、「望ましい働き方」で「社会に適合する」ことであってほしくはない、と思います。

IE6について最近気づいた事と、ブラウザ別のアクセス解析は面白いということ。


あるサイトのアクセス解析を見ていて、いまさらながらに気づいたこと。
『IE6ユーザーの訪問は土日に激減する。』
もともと土日のアクセスが少なくなる傾向があるサイトなのですが、他のブラウザにくらべて明らかに土日が少ないです。平日の3分の1くらいになります。


IE7、8やFirefoxのユーザーは、土日は2割減くらいです。IE8は正式リリース前はむしろ土日の方が訪問者が多かったくらい。


1サイトだけのデータなんで、憶測でしかないのですが、「今、IE6を使っているユーザーの多くは、会社からのアクセス」なのじゃないのかなと。会社のPCが古くてIE6が動かないとか、新しいソフトのインストールが禁止されているとか、一番ありそうなのは「社内システムがIE6でないと動かない」とか(笑)


そう考えると、平日の昼間にビジネスマンが覗くことを想定しているようなサイトでは、いくら古くて、早く対応をやめたいと思っていても、やはりIE6対応はまだ必要なのかもしれません。
「IE6でしか動かない社内システム」(我が社にもあります/笑)さえなくなれば、もっとIE6のシェアは低くなってくれそうな気がしますが。


ちなみに、コンバージョン率も、ブラウザ別でかなり差が出ました。
今まであんまり気にしていなかったけど、これからはターゲットブラウザの選定のときにも、コンバージョン率とか多少見ておいたほうが良いかもしれない。
ブラウザ別のアクセス数はよく見ても、ブラウザ別のコンバージョン数とか見ていなかった。反省。


利用ブラウザとか毎日は見ないデータでしたが、今回じっくり解析してみて、利用するブラウザによってアクセスの傾向に違いがあるので面白いなと感じました。今後はじっくり見るようにしよう。